認められた時は本当に嬉しかったです

私は昔縫製工場で働いていました。

最初の頃はミシンに慣れていなかったということもあり、あまり上手ではなく自信がありませんでした。

怖いリーダーや性格のきつい人もいたため、私は隅っこで小さくなっていることが多かったです。

私が入社して少し経った時のことでした、各個人の能力によって級が決められることになりました。

やはりというか、予想していたとおり私はあまり良い級にはなれませんでした。リーダーは私があまり仕事が出来ないとよく言って来ましたが、それは毎回同じ仕事しか与えないからでした。

級決めの時の用紙に、今どんな作業が出来るかの項目もありました。当然ですが一度もやったことがない作業には丸を付けられません。

それなのにリーダーは「あんたなんか出来る事少ないんだから」と私の能力が低いと決めつけて来ました。

そのうちその級制度も自然に無くなり、私が別のラインに移動してからでしょうか。何だか周りの私に対しての態度が軟化してきたように感じました。

私は自分でも気づかないうちにかなり力を付けていて、難しい作業もこなせるようになってきました。

そうなるとサンプル作りも任されるようになり、リーダーからも信頼されるようになりました。

以前のリーダーとは違い、とても話がわかる人だったのも良かったのでしょう。

一人一人の能力を伸ばすために、いろいろな作業を任せてくれたので、仕事をどんどん覚えていきました。

そのうち私の仕事はサンプル作りがメインになりました。他の人が時々サンプル作りをする時に、作り方がわからないと色々聞いてくるようになりました。

昔は私が聞く立場だったのに、この頃は私が教える立場になっていました。

リーダーや他の上司からも信頼され、「この班で任せられるのはあなただけ」と言われた時は本当に嬉しかったです。

あんなに下に見られて、仕事が出来ないと散々罵られていた私がこうして上の方達から信頼されるようになるなんて思いもしませんでした。

そして最初の頃「きつい人だなあ」と苦手だった人がいたのですが、その人が私の作ったサンプルを見てしみじみとこう言いました。

「本当に丁寧で綺麗に縫ってるよね」と。

ああ、やっと認めてもらえたんだと心から嬉しくなりました。最初の頃私を罵っていたリーダーは気がついたら退社していなくなっていました。

それから辞めるまでの数年間は、周りの人たちから信頼され、頼られ、仕事も本当に楽しく夢のような時間を過ごせました。

今思い出してもあの経験はその後の私の自信に繋がるとても感動する出来事でした。どんなに駄目な人間でも、真面目にやればいつかは認めてもらえるんですね。

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