保育実習中に心をひらいてくれた女の子

就職前に行う保育実習で経験した話になります。そこの園には1人のかんもくの女の子がいました。

女の子は場面かんもくのようで、みんなが言う言葉の内容はきちんと理解しているけれど、幼稚園などでは声を出すことが出来なかったのです。

その子は、担任の先生にも言葉を発することなく毎日を無言ですごしていました。そして、その女の子のいるクラスに私が入ることになりました。

私はどうしたらその子が声を発してくれるのか、毎日のように考え、一緒に遊んだり話しかけたりを繰り返しました。話しかけても一緒に遊んでもあまり表情を変えてくれない女の子でしたが、しばらくするとずっとそばにくっついてくるようになりました。

『一緒に遊ぼうか』と言っても笑ったりすることもなく首を縦にふるだけでしたが、その行動だけでもとても嬉しかったです。

そんなある日、女の子のお母さんが私に話しかけてきてくれました。『家に帰ってくると、毎日先生と何をして遊んだのか、どんなことを話してくれたのかをすごく嬉しそうに教えてくれるんですよ』『今までで一番嬉しかったみたいです』と、教えてくれました。そして、家では元気に走り回っていることも教えてくれました。

そのことを聞いて、何も話してくれなかったり笑ってくれなくても、女の子はとても喜んでくれているんだとわかり、よかったーと嬉しさや安心感がこみあげてきました。でも、元気に走り回る姿は見たことがなかったので、見てみたいなとも思いました。

そしてしばらくしたある日、みんなが外に遊びに行っていて私が教室に1人の時に、いつものように女の子がそばに来ました。そして、とてもとても小さな声で『せんせー』と、私に話しかけてきてくれました。

呼んでくれた時は本当にびっくりしましたが、その一言がすごく感動したのを今でも忘れません。その日から、2人きりになると『せんせー』の一言ですが私のことを呼んでくれるようになり、ほんの少し笑顔も見せてくれるようになりました。

相変わらず遊んでも元気に走り回る姿は見せてくれませんでしたが、ある休日にお母さんと女の子が私をマーチングバンドの練習の見学によんでくました。

その練習を見て私は驚きました。幼稚園とは全く違く、一生懸命に動き大きな声を出している女の子がいたのです。練習が終わってから女の子に話しかけましたが、いつものように少し笑顔を見せてうなずくだけでしたが、幼稚園では見せない姿を見せてくれたことにすごく感動しました。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*